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僕の心の奥の文法

2010/12/19 Sun 06:36



【僕の心の奥の文法】

2010年/イスラエル

監督 : ニル・ベルグマン
脚本 : ニル・ベルグマン
撮影 : ビニヤミン・ニムロッド・チラム
出演 : ロイ・エルスベルグ、オルリ・ジルベルシャッツ、イェフダ・アルマゴール、エヴリン・カプルン


【1960年初頭のイスラエル。第三次中東戦争前の一時的に平和な時期、ホロコーストの生き残りである父親と母親、好戦的な新世代の若者の中で孤立し、成長することをやめてしまう少年アハロン。思春期の心の揺れを寓話的に描く。】


ニル・ベルグマン監督とオルリ・ジルベルシャッツが登壇。 @第23回東京国際映画祭
この作品を観ている内に、十人十色とはいえ、子どもたちがおおよそ足並みを揃えるようにして成長していくことが何だか不思議に思えてくる。集団の中で行動をするということや慣例、環境なんかがそうさせていくのかな。
「おとなはだれも、はじめは子どもだった。しかし、そのことを忘れずにいるおとなは、いくらもいない。」という星の王子様にあった言葉を思い出す。
インテリ風の女性宅へこっそりと忍び込み、そこで見つけた今まで主人公の周囲には無かった芸術というものに触れていくけれど、子どもの遊び、秘密の隠れ家に最適の場所だっただけに過ぎないのではと思う。しかし、雑然としつつも皆が同一の方向へ進もうとしている時代の中で、ひょんないたずら心から足を踏み入れた場所が、アハロンの感受性を強くさせたのかも知れない。
頑なに成長することを拒んだのではなく、その繊細さによって、戸惑い、傷ついていている。かなり不器用ながらも家族はそれぞれにアハロンのことを思いやっていて何とも辛い。
英語の現在進行形(ヘブライ語には現在、過去、未来のみで現在進行形は無いそう)を「泡の中にいるみたい」と子どものままでいる自分に重ね合わせて、子ども時代のいたずらや約束をひとりで続ける映像がファンタジックで、居住地は雑多でありながら、その少し先にはまだ手付かずで壮大に広がっている風景たちがそれを助長。「アハロイング」って。

原作はデイヴィッド・グロスマンの小説「Intimate Grammar」

余談 : 同伴していたジルベルシャッツ(憧れのハスキーボイス)のお嬢さんが、パシャパシャ写真を撮りまくってて可愛らしかった。微笑ましい!

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ペルシャ猫を誰も知らない

2010/11/18 Thu 15:36




【ペルシャ猫を誰も知らない】
公式サイト

2009年/イラン

監督 : バフマン・ゴバディ
出演 : ネガル・シャガキ アシュカン・クーシャンネジャード ハメッド・ベーダード

第62回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門 特別賞受賞

【 西洋的な文化が厳しく規制されているイラン。当局の目をかいくぐって音楽活動をするネガルとアシュカンは、演奏許可がおりない母国を離れ、海外で公演を行うことを夢見ている。首都テヘランを舞台に若者たちの音楽への情熱と自由への希求を描く。】


テヘランの現状が垣間見れるとあれば観たくなります。@ユーロスペース
主人公二人が渡英するまでの17日間という限られた時間、イスラム文化指導省無許可の為、ゲリラ的に撮影を敢行。という作品なので、丁寧に作り込まれたものでは無く、不安定で雑だけれど、手持ちカメラで焦燥して疾走して、迫真性が増す。
音楽や映画にまで厳格に封建的な規制がなされているイランで、過酷な状況を悲観的に捉え、深刻的に伝えるのではなく、ユーモアを交えて軽妙、通報されても逮捕されても決してへこたれないミュージシャン達のたくましさに魅かれる。
反体制とか反骨精神だとかを声高に叫んでいる訳ではなく、ただ純粋に好きな音楽をしたい、聴きたいという若者たち。その情熱にこそ心を動かされる。無邪気で微笑ましかったり。
極めて健康的なことだと思う。危険を犯してまでもアンダーグラウンドで音楽活動を続ける。どれだけ執拗に取り締まったとしても若者たちの表現することへの渇望を止めることは出来ないだろうな。
前向きな青春映画で終わらせないラストは「帰国すれば逮捕されるか、二度と出国できないか」と言う祖国に帰れない、理不尽な不自由さを強いられた監督や出演したミュージシャン達の厳しい現実を表しているかのよう。
監督自身がレコーディングスタジオで歌っているシーンやミュージシャン達の演奏を余すところなく撮るということが、国を追われてまでも伝えたかったことのような気がした。

監督の婚約者がニュースで見たことのあるロクサナ・サベリだったとは、ビックリ。

Trailer
ネガルとアシュカンのTake it easy hospital




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【非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎】

2004年/アメリカ

監督 : ジェシカ・ユー
ナレーション : ダコタ・ファニング

【 親類も友人もなく、雑役夫として働いた病院と教会のミサを行き来するだけの貧しい生活を送ったヘンリー・ダーガー。その生涯を閉じた後、アパートの部屋からは1万5千ページを超える小説と、数百枚の絵が発見された。】


ダーガーは幸せだったのかも知れない。  @名古屋シネマテーク
そもそも人生を幸不幸で分ける事なんて出来ないし、受け入れるしかなかった孤独で苛酷な境遇は、推し量ることすら出来ない。
世の中、評価されたがっている人が多いのではと思う。凄いと思われたかったり。自分を表現したものは勿論、こんな映画を観たとかあんな音楽を知っているという知識の面や外見でさえ。
自己の訴えや誰かとの共有、人との繋がりを求めていたり、過剰に人の目を意識しているのかも知れない。(それは悪いことではないし、多少は必要なのかとも思う。)
斯く言う私も、日常の当たり前にしている事ですら出来れば褒められたいし、褒める所が無くても何か褒められたい位。(これはお恥ずかしい限り。)
彼にはそのような思惑が全く無かったのかも知れない。創作活動は生きていく上での拠り所であり、生活の一部だったのだろう。食事をしたり、睡眠をとったりするような事をわざわざ他者にアピールしないのと同様に。もしくは人生そのものだったのかもしれない。
自分の精神バランスを保つ為、自分という読者の為だけに創造したもので、本来勝手に見てはいけない、至極個人的な日記のようなものなのかとも思われるので 、とても複雑な気分になる。けれども、ダーガーの作品、生涯をかけて作り上げた世界をみたいという気持ちの方が勝ってしまう。人に見られることを微塵も想定せず、思いのままに書き続けた膨大な小説と絵とは。
ダーガーの心の内は解らないけれど、「遅いよ」という言葉を前向きにとらえて。

トム・ウェイツの歌声がとても響く。

余談 : アウトサイダー・アートという言葉を初めて知りました。カフカもそうなるのかな。
「世田谷カフカ」面白かったな。


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ハデウェイヒ Hadewijch (原題)

2010/03/30 Tue 11:58



【ハデウェイヒ Hadewijch (原題)】
allocine

2009年/フランス

監督・脚本 : ブリュノ・デュモン
出演 : ジュリー・ソコロウブスキ、カール・サラフィディス、ヤシーヌ・サリム、ダヴィド・ドゥワエル

2009年トロント国際映画祭国際批評家連盟賞 受賞

【セリーヌは、キリスト神秘主義的詩人ハデウェイヒに傾倒し、激しく感化されるあまり修道院を追われる。 パリの大邸宅に戻り、やり場のない気持ちをもてあました彼女は、イスラム教徒である二人の兄弟と出会い、人生が変化していく。】

 
ブリュノ・デュモン監督来日、トークショーあり。 @フランス映画祭
純真無垢で繊細、危うさを感じる憂い顔。ゆっくりじっくり主人公をとらえていて、どこか所在無さげで実体が無さそうなたたずまいに魅了される。
全く現実味が無いほど、リアリティを増すのが不思議。キリストを一人の人間として愛しているのでは。家族の愛を感じることが出来ず、捌け口としての倒錯した愛の形。
監督自身は、特に信じている宗教が無いと言っていたので合点がいく。盲目的な信仰心を持って、危険な行為に身を投じるということが主題では無く、ひたすら愛を求める少女の話。すごく分かり易い。(実際はもっと深い意味があったり、複雑だったりするのかもですが・・・)
ラストの音楽も信仰を表しているものだそうですが、急に大袈裟になって、個人的には無い方がぐっときたかも。

余談:ジュリー・ソコロウブスキはユニクロファッションがよく似合う。
「信仰するものがあるとしたら、愛、映画、芸術・・・」 ブリュノ・男前・デュモン。


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ブロークン・フラワーズ

2010/03/11 Thu 09:29



【ブロークン・フラワーズ 】

2005年/アメリカ

監督・脚本 : ジム・ジャームッシュ
出演 : ビル・マーレイ ジェフリー・ライト シャロン・ストーン フランセス・コンロイ ジェシカ・ラング  ティルダ・スウィントン  ジュリー・デルピー  マーク・ウェバー  クロエ・セヴィニー


【気ままな独身生活を送っている中年男のドンのもとに、「あなたと別れて20年。息子は19歳。あなたの子です」と書かれた差出人不明の手紙が届く。お節介な隣人ウィンストンに促され、可能性のある4人の女性を訪ねる為、アメリカ大陸横断の旅に出る・・・。】

2005年 カンヌ国際映画祭 審査員特別グランプリ受賞


掴み所のない、ビル・マーレイの泣き笑い顔に動き。滑稽でいて哀愁漂う、不思議な魅力。そりゃモテるわ。チャーミング。
意味深長なピンクをポイントとした色彩の構成が、すごく巧みなバランス。
多くの事を説明しなくても仔細な描写で、それぞれの人となりや過去の関係を示唆している。
ほんのちょっとした仕草やインテリアの細部等、自然と目に入り、それぞれの過去・現在を勝手に想像してしまう。
過去と向き合うことで、時間の経過を把握し、現在を見つめることが出来る。 困り顔で抜け殻だった元ドン・ファンも、お付き合いしていた女性達の現在を気まずく覗き、いるかも知れない息子への気持ちも相まって、今を生きる事になるのかな。
ベテラン女優が次から次へと大迫力。何とも言えない音楽もドンにぴったり。     

最後に出てきたのはビル・マーレイの実の息子なんだって。



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